対人恐怖症の原因は?

対人恐怖症になる原因には先天的要素と環境要因があります。

先天的要素

不安を感じやすい、怖がり、恥ずかしがり、感受性が高い、影響を受けやすい、真に受けやすい、思い込みやすい、他人に興味が持てず一人遊びが好き等といった生まれつきの性質。

そもそも日本人の大半は「心を落ち着かせる働きをするセロトニン」を取り込むセロトニントランスポーターの数が少ないことから、脳の構造上どうしても不安を感じやすい傾向はあります。

HSP(ひといちばい敏感な人)や発達障害に該当するケースもあり、発達障害の二次障害として対人恐怖症を発症することも。

慎重で警戒心が強いことから「石橋を叩いても渡らないタイプ」と言われる人も結構います。

みんなが面白いと思うものを面白いと思えなかったり、興味関心の対象がマニアックだったり、周りと感性が大きく違っていることも影響しやすいですね。

その他、アトピー性皮膚炎、わきが、吃音、漏斗胸といった身体的特徴。

周りと異なる面が多ければ多いほどいじめやからかいの対象となりやすく「自分は変なんだ、おかしいんだ」と思うことで始まる自己否定が対人恐怖症につながっていきます。

環境要因

親子関係

自分が好きなことを否定される、感情的になりやすいことを否定される等、性質や特徴、感性に対する親からの否定。

親の考えを一方的に押し付けられることの繰り返しによる「言っても聞いてもらえない」「言ってもムダだ」という諦め。

何かができたときだけ親に認めてもらえるという条件付の愛情により「いい子」を演じる。

結果がすべてという考えによって過程の頑張りを評価されない。

ヒステリックな親の顔色をうかがうことが他人基準の始まりになることもあります。

兄弟姉妹、他人と比較してダメ出し。自分と他の兄弟姉妹に対する親の態度が違う。

ドラマやバラエティ、音楽番組を見せてもらえない等によって、学校で周りの話題についていけなくて困る。

過干渉、過保護により自我(アイデンティティ)が確立されないことも大きいです。

本来であれば「感じる→考える→行動する」のサイクルによって感性が磨かれていくのですが、親に言われた通りに行動することで考えることも感じることもなくなっていく。

例えば、「ありがとう」を言うにしても「ありがとう言いなさい」と言われて言うのと、感謝の気持ちが生まれて「ありがとう」と言うことの違いは大きいのです。

学校

集団生活により協調性が身につく反面、他人との違いを意識するようになる。

勉強ができるかどうか、運動ができるかどうか、容姿がいいかどうか、面白いかどうか、友達が多いかどうか等、表面的な要素で優劣を判断。

周りと異なる特徴があるといじめやからかいの対象になりやすい傾向があります。

スクールカースト、女子の場合はグループも意識することになり、孤立しないために集団の中で自分の居場所を確保しようと必死になる。

中学で知らない子ばかりのクラスになったり、転校したときに上手く馴染めなかった場合、周りに合わせる自分を演じて本当の自分を抑え込んでしまうこともあります。

先生からありのままの自分を否定された経験。

デリカシーのない友達からの指摘や悪意のある言いがかりによって、本当はおかしくないのにおかしいと思い込んでしまうことも。

仲良くしていた友達が急に無視してきたり、仲間外れにされたりすることで、人を信じられなくなることもあります。

発症に至るまで

自己否定の習慣により自己肯定感がどんどん失われていく。

自分の基準で生きれなくなり、他人や世間一般の基準にすがるようになる。

相手が悪くても責められず自分を責めてばかり。

プライドが高くなり頑固になるから素直に人の話が聞けなくなる。

相手を責められないから怒りが湧かず、嫌だという感覚も麻痺。

存在意義を見失って「自分がいない方が上手くいく、自分じゃない人と話す方が相手のためになる」等と考え出す。

誰でも嫌がるようなこと、怒るようなことにも反応しなくなることで優しい人に見られる。

周りのイメージによってより自分のネガティブな側面が抑圧されて苦しくなっていく。

そして、限界を超えたときに症状が表面化するのです。

先天的要素と環境要因を抱えていても、限界を超えない限り発症には至りません。

発症の時期が中学という人もいれば、社会人になってからという人もいますし、事例からも限界を超えたときに発症していることがわかります。

対人恐怖症の症状は?

不安や恐怖に飲まれてしまうことによる過度の緊張が症状を生み出しています。

さらに、症状が出ているのを知られることに恐怖を感じるため、隠そうとしてより緊張を増していく悪循環に陥るのです。

具体的には以下のような症状があります。

対面で人と話すとき、人前で話すとき、複数人のグループで話すときといった直接人と接する場面だけでなく、道路、電車の中、人ごみ等、人がいるだけのところでも症状が出て苦痛を感じるケースが多いです。

自分のことにばかり意識が向いて(自意識過剰)他人のことが考えられない、相手に迷惑を掛けてはいけないのに掛けてしまう罪悪感等によって自分を責める、否定する。

「この症状さえなければ」と思って症状が出ないようにしようと頑張る方は多いですが、頑張れば頑張るほど余計に症状を意識することになりますのでやめましょう。

症状はあくまでも表面化しているものでしかなく、上記のような原因が対人恐怖症の症状を生み出しているわけですから、いかに原因を改善するかを考えてください。

カウンセリングを受けながら対人恐怖症を生み出している原因を改善していけば、気付いたら症状のことが気にならない状態になります。